神と世界と悪魔の関係についての聖書の教えは右の図のとおりです。円錐形の頂点には三位一体の神がおられ見える世界と見えない世界全体（円錐全部）を、愛と義によって支配しておられます。中央部の同心円（見える世界）は、中心の円が教会、直ぐ外の円が家庭、さらに社会と自然・宇宙の円があります。底の部分にいるのがこの世と人間を堕落させようとしている、悪魔とその手下の悪霊たちです。悪魔の働きも神の支配の下にあります。

　悪魔は堕落した一天使のことで、角もしっぽもありません。サタンは悪魔の別名です。聖書では、神に従って世界と人類の救いのために奉仕する良い天使は、「天の御使い」とか「神の御使い」と呼ばれています。

　唯一の真の神は、世界と人類を救う計画の中で、悪魔の働きも支配しておられます。例えば、悪魔の誘惑に負けたユダがキリストを裏切ったので、キリストは十字架にかけられましたが、その十字架で、神が人類を罪から救う計画が実現したのです。

　悪魔と訳されている聖書のことばは、「中傷する者」という意味です。悪魔はまず、神についての中傷をして、人間をだまします。一つのうそは、「神は正しい人を祝福し、悪い人間を罰せられる」です。このため人間は、因果応報的、律法主義的な誤った考えを持ち、良い行いによって救われようとします。また罪を犯した人間は罰を恐れて神から離れます。こうして、多くの人々が神の恵みによる救いを信じることができず、教会から遠ざかってしまうのです。恵み深い神は罪人を愛して救って下さるお方です。悪魔にだまされないでください。

　もう一つのうそは「神に従う生活は不自由で不幸である」です。このため人間は神に逆らい、自分を幸福にしてくれそうなものを追い求めるのです。悪魔は、金や物、快楽や成功、地位や名誉、宗教や思想等々で、一時的、部分的な満足を与えて、結果的に真の神から人を引き離そうとします。神の真理に従うことが本当に自由な生活です。神は私たちを、神と人を愛するキリストに似た者、最も幸いな祝福された人にしてくださるのです。愛の神を信じてください。

　悪魔はまた、神に人間を訴え、人間を見放させようとします。最初の訴えは「人間は自分の利益のために神を信じるだけなので、神は人間を信用すべきではない」です。第三の訴えは、「人間は、自分のいのちが危なくなると結局神を裏切るので、神は人間に失望するだろう」です。

　これらの悪魔の訴えは、じつはどれも当たっています。しかし、キリストが悪魔に勝利されたので、神が悪魔の訴えを聞き入れたり、私たちを見捨てたりなさることは絶対にありません。キリストは、神と人を愛する人生を送られました。また、人間のすべての罪に対する神の刑罰を身代わりに受けてくださいました。そして、キリストは十字架の死に至るまで自分を捨てて神に従われました。キリストは、悪魔が神に何一つ訴えることのできない人間の代表なのです。また、復活されたキリストは、私たちの救いのために、神にとりなしの祈りをしていてくださいます。神はキリストのゆえに、悪魔の訴えをしりぞけ、私たち罪人を赦し、永遠に神の子どもとして愛してくださるのです。

　サタンは悪魔の別名で「敵対する者」という意味です。悪魔と悪霊は、世界中で、人間が神に逆らって生き、愛の神を信じて救われないように、神と教会に敵対して戦っています。しかし、ちょうど第二次世界大戦末期のナチス・ドイツがそうであったように、各地での戦闘は続けていても、戦争全体ではすでに敗北しているのです。悪魔の国が神の国に勝つことは絶対にありません。世の終わりには、神が悪魔と悪霊たちを永遠に滅ぼされます。勝利は神にあります。あなたもキリストと多くのクリスチャンとともに、悪魔と戦う神の兵士になってください。