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キリスト教について
ここが聞きたいQ&A


Q15.クリスチャンとはどういう人ですか?
  「あれでもクリスチャンか」と思う人や「これこそクリスチャン」と思う人がいますが・・・

 

 私は外国では、よく中国人に間違えられます。台湾や香港の教会を訪問した時は、何度も中国語で話しかけられて困りました。ドイツ留学中も子どもたちが私を指さして「中国人、中国人」というのをよく聞きました。どうも私はみなさんが持っている「中国人のイメージ」に似ているようなのです。

 

 クリスチャンについても、多くの人々はそれぞれ自分なりのイメージを持っているのではないでしょうか。そして自分のイメージに合わないクリスチャンを見ると、「あれでもクリスチャンか」(別名「でもクリ」)と思い、自分のイメージどおりのクリスチャンがいると「これこそクリスチャン」(別名「こそクリ」)と評価するわけです。私自身も教会に行き始めたばかりのころは、クリスチャンは「まじめでやさしい人」というイメージを持っていて、他の教会員を「でもクリ」と「こそクリ」に区別していました。

 

 聖書の中には、クリスチャンと教会についてのバラエティに富んだイメージがあります。<BR>クリスチャンは天地創造の「神の子ども」で、教会は父なる神を中心とする神の家族です。クリスチャンは罪深い人間でありながら、神の恵みによって永遠の神の子どもとされた人であり、神の御子である、キリストに似た者となることを目標に、子どもが大きくなるように少しずつ成長している人です。教会には、まだ幼い神の子どもも、成人してキリストの姿に近づいている神の子どももいるのです。

 

 また、聖書では、教会はキリストの体で、クリスチャンは「キリストの手足」と言われています。クリスチャンはキリストの手足として、神から与えられた知恵や能力を生かして、神と人々に奉仕する人です。奉仕者というクリスチャンのイメージは、教会の中でよく用いられるイメージです。<BR>クリスチャンはキリストの弟子です。クリスチャンは、最高の教師であるキリストの心とことばと行いに見習う人です。聖書を学び従うキリストの弟子というイメージは、多くの人々が持っているでしょう。

 

 さらにまたクリスチャンは、神を礼拝して、多くの人々に神の祝福が与えられるように祈る「祭司」でもあります。礼拝者や祈る人としてのイメージはあまり一般的ではありませんが、聖書の中では大変重要なクリスチャンの姿です。クリスチャンは、神の栄光と福音の真理のために戦う「神の兵士」でもあります。聖書には、公民権運動のリーダーであったキング牧師のように、力強く戦うクリスチャンのイメージもあるのです。

 

 しかし聖書は、クリスチャンは「羊」であるとも言っています。弱くやさしい羊のように神に守られ、養われ、導かれて生きるのもクリスチャンです。羊は、兵士とは正反対とも言えるイメージです。

 

「地の塩」と「世の光」というイメージも対照的なイメージです。どの教会にも、静かで目立たないけれども周囲に良い影響を与える「塩」のようなクリスチャンも大勢いますし、明るく輝く「光」のようなクリスチャンもたくさんいるのです。他にも聖書では、全世界から集められた「神の国(教会)の国民」、豊かな愛の実を結ぶ「ぶどうの木の枝」、神の聖霊が心の中に住んでおられる「聖なる神殿」等、多種多様なクリスチャンのイメージが語られています。

 

 どうか、あなたも、自分の持っているイメージだけで、自分と他のクリスチャン、自分の所属教会と他の教会を、評価したり比較したりしないようにしてください。

 

 聖書の中に記されているクリスチャンのイメージすべてを、完全に満たすまでに成長している人は一人もいませんが、どのクリスチャンも聖書的なクリスチャンのイメージを必ず持っている、ちゃんとしたクリスチャン(別名「ちゃんクリ」)なのですから。クリスチャンはみんなで、聖書的なクリスチャンのイメージの全体を十分に表現しているのです。あなたはあなたらしい「ちゃんクリ」として成長してください。

 

 教会についても、聖書は多種多様なイメージを記しています。神の家族として愛し合う教会、みなが熱心に奉仕するキリストの体、聖書を学び従うキリストの弟子の群れ、絶えず祈る祭司の集まり、神の栄光のために戦う軍隊、良い羊飼いであるキリストの羊の群れ、キリストを純粋に愛するキリストの花嫁等々です。

 

 聖書が教えているこれらの教会のイメージすべてを、十分に持っている教会は一つもありませんが、どの教会も「でもチャ(チャーチ=教会)」でもなければ、「こそチャ」でもありません。どんな教会も、聖書的な教会のイメージのどこかで必ず成長している、それぞれに特色のある「ちゃんチャ」なのです。教会は世界の教会全部で、聖書的な教会のイメージの全体を十分に表現しているのです。あなたも、あなたの所属教会の成長しているところを感謝し、まだ十分に成長していないところも、成長できるように祈ってください。


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