メニューに戻る
キリスト教について
ここが聞きたいQ&A


Q11.聖霊とはどんな霊ですか?
   よく「聖霊」ということばを聞きますが、聖霊とはどんな霊で何をする霊なのですか?

 

 ずいぶん前になりますが、あるキリスト教関係の国際会議で、同時通訳者がクリスチャンでなかったために、忘れられない出来事が起こりました。イエス・キリストは時々ご自分のことを「人の子」(the Som of Man)と言われましたが、通訳者はこれを「お子さま」と訳し、聖霊(その時使われた聖書ではHoly Ghost)をなんと「聖なる幽霊」、罪人(神に負債のある人debtor)を「借金をしている人」等と訳したのです。それで、ある聖書講演は、「お子さまが聖なる幽霊と一緒に、借金を払いきれない人を助ける物語」になってしまったのでした。

 

 もちろん、聖霊は聖なる幽霊ではありません。前に「三位一体」の説明をした時に紹介しましたが、聖霊は、父なる神と御子なる神と完全に一つである真の神です。教会では、父なる神を「私たちの上におられる神」、御子イエス・キリストを「私たちとともにおられる神」、聖霊を「私たちの内におられる神」と呼ぶことがあります。聖霊はキリストを信じるすべてのクリスチャンの心の中に、永遠に住んで働いておられます。これを「聖霊の内住(ないじゅう)」と言います。御子イエス・キリストは汚れた家畜小屋にお生まれになりましたが、聖なる三位一体の神の一位格(人格)である聖霊は、私たちの罪に汚れた心の中に住んでいてくださるのです。

 

 私は、自分中心な悪い欲望と罪深い考え等が満ちているような私の心の中に、聖霊が住んでおられ、私の罪のために悲しみつつ、私が成長するために祈り続けていてくださることを心から感謝しています。また、父なる神が、私の心の中で祈っておられる聖霊のとりなしの祈りを聞かれて、私が神のみこころにかなう者になるために働いてくださるということは、なんと幸いなことでしょう。

 

 聖霊は、天地創造の時以来自然の中でも働き続けておられますが、聖霊のお働きの中で一番中心的で最もすばらしいお働きは、私たちを神の御子イエス・キリストに似た者としてくださることです。

 

 まず第一に、聖霊によって誕生されたキリストが神であると同時に人であったように、私たちも聖霊のお働きによって霊的・人格的に新しく生まれ変わって、人間でありながら神の子どもとされるのです。罪のないキリストと違って、私たちは生まれつきの罪の性質(原罪)を持っていますから、生きている限り罪人ですが、聖霊は私たちを神に愛されている神の子どもとして、一歩一歩を導き、少しずつ成長させてくださるのです。

 

 第二に、キリストが父なる神とそのみこころをよく知っておられたように、聖霊は、私たちも神を知る事ができるようにしてくださいます。聖霊によって、私たちは誤りのない神のことばである聖書を正しく理解し、神の栄光、その完全な愛と知恵と力等を十分に知る事ができるのです。

 

 第三に、キリストが、聖霊に満たされて、父なる神との完全な愛の交わりの中を歩まれたように、聖霊は私たちを神とともに歩ませてくださいます。聖霊によって、私たちは神の愛に満たされ、栄光の神を礼拝し、その恵みに感謝しつつ、みことばに従って悪に勝利し、神を愛して生きることができるのです。

 

 第四に、キリストは聖霊とともに働き、信じて従う者たちを集めて、教会を建て始められました。聖霊は、このお働きを受け継ぎ、今日に至るまで全世界に教会を建て上げ続けておられます。私たちがキリストの救いの福音を信じてクリスチャンとなることができるのも、教会がさまざまな困難と戦いの中で成長し続けているのも、愛の聖霊の力強いお働きがあるからなのです。

 

 第五に、キリストが聖霊の力によって神としてのみわざを行なわれたように、聖霊は私たちにキリストが持っておられるいろいろな能力(賜物)を分け与えて下さって、私たちにも神の国のための働きをさせてくださいます。私たちは、仕える、教える、伝導する等の多くの聖霊の賜物を生かして、キリストの手足として神と人に奉仕するのです。

 

 第六に、キリストがご自分のいのちをささげられるほど完全に神と人を愛されたように、聖霊は私たちも神と人を愛することができる者、キリストに似た者に造り変えてくださいます。私たちは聖霊のお働きによって霊的人格的に成長して、聖霊の愛の実を豊かに結ぶ者とされていくのです。

 

 最後に、キリストが聖霊によって永遠のいのちと栄光の体を持って死者の中から復活されたように、聖霊は私たちをも復活させてくださって、栄光のキリストに似た者、罪のない永遠の神の子どもとして、完成してくださるのです。あなたも、あなたをキリストに似た者に造り変えてくださる聖霊を信じてください。

inserted by FC2 system